2024年4月11日、京王高尾線高尾駅南口に開業した”個商いビル”「KO52 TAKAO(以下KO52)」。プロジェクトメンバーの3人に加え、KO52のカンリニンさんであり「高尾ビール」を2Fに出店する池田周平さんを交えた4人に、プロジェクトを通して見えた「地元と共にある未来」のお話を聞いてきました。
個商いが集うビルKO52 TAKAO
ーまず、皆さんが参画されたKO52とはどのような施設なのか教えてください。
菊池さん:小さい商いと書くのではなく、個人の個と書いた「個商い」をテーマにした施設です。一人ひとりの個性があふれる商いをイメージしていて、こだわりを持って起業された方、自分から発信していきたい方が集まった施設です。
ー例えばどんな個商いをしている方がいらっしゃるのですか?
菊池さん:もちろん池田さんもそのお一人ですし、表参道と2拠点で営業をしている美容師の方、香りの専門店を運営している方、ランニングのオンラインコーチングをされている方、デザイナーの方など、皆さん個性的な事業をなさっています。
ーそのような個性的な方々を、どのように探してきたのですか?

葛川さん:まずは、“カンリニンさん”である池田さんの繋がりから、多くの方をご紹介いただきました。あとは高尾山口駅前のホテル、「タカオネ」で秋に開催している野市(のいち)というマーケットイベントに、私たちが「個商い不動産」を出店し、たくさんの方に興味を持っていただきました。KO52のことをお客様にお伝えすると同時に、本当はやりたい事業があったんだという方に「このタイミングでどうですか?」とお声掛けしていくことで、直接接点を持つことができました。
ー皆さん担当されているお仕事が異なりますが、プロジェクトはどのように進めていかれたのですか?
松尾さん:働く場所がバラバラなので、定例ミーティングでみんなが集まれる場を作ろうということになり、高尾駅に「個商い準備室」を設置しました。入居希望者さんとのお話やパートナー企業の皆さんとの打ち合わせなど、プロジェクトに関わるみんなの基地でした。
葛川さん:その「個商い準備室」は高尾山口駅の改札から見えるので、多くの方に気付いていただけるように準備室の窓に池田さんの顔写真の入ったプロジェクト概要ボードを貼っていたんです。すると、そのボードを見た多くの方々から興味を持っていただき、それをきっかけに入居いただいた方もいらっしゃいます。いやあ本当に効果的だったなあ。
池田さん:改札前に自分の顔写真が出るなんて・・(笑)。
人のつながりを感じられる
プロジェクトは、
ありがてぇ!
ー池田さんは、ここまでお三方をはじめとした、京王電鉄㈱、㈱京王SCクリエイションの皆さんとプロジェクトを進めてこられてきました。今回京王という会社と組んでみて、気付きや発見などはありましたか?
池田さん:京王電鉄㈱さんとはもともと繋がりがあり、信頼関係は十分出来上がった上でのプロジェクトスタートでした。とはいえ、大企業ならではの、形式的な手続きやペーパーワークの多さなどでやきもきする場面が発生するかもと少し懸念していたのですが、その心配は全くありませんでした。このプロジェクトチームは「何でこんなにいい人が集まったんだろうね」と入居者の間で話が出ていたくらいです。
池田さん:本当に人と人との繋がりを感じながら進められるプロジェクトになっていて「マジでありがてぇなっ」と感じていました。このプロジェクト自体、京王さんとしてもチャレンジだと伺っていたので、お若いみなさまを投入できるってすごい懐深いなと感じました。チームの作り方を見ていてもすごく勉強になりましたし、いい会社だなと思っていましたね。
一緒につくっていく、というチャレンジ
ーKO52のようなゼロから立ち上げるプロジェクトの経験はありますか?
全員:ないです!

ー皆さんにとっても、チャレンジングな取り組みだったのでしょうか?
松尾さん:KO52は、よくあるオフィスビルや商業施設と違って、あまりない業態だと思います。商業施設はどちらかというとナショナルチェーンなどにアプローチすることが多いのですが、地域の個人の方々と直接接点を持つというのは、すごくチャレンジングだったなと思います。
ー㈱京王SCクリエイションの「未来は地元と共にある」というビジョン。地元の個人の方々と接点をもつということは皆さんが先駆者かもしれませんね。どのような難しさや楽しさがありましたか?
松尾さん:難しさはやはり、何をどうアプローチしていけばいいか正解がない中で、やり方もよくわからず、正直手探りで進めていったところです。でも自分たちがイベントに出店したことで、意外な繋がりができ、そこから結果に結びついたということもあったので、それは楽しさや発見だったなと思います。
葛川さん:エリアのことを考えていらっしゃる入居者さんが多いなと感じました。ご入居の申し込みがあったときは、一対一で入居者候補の方と会話をさせていただき、どんな事業をされているのかということだけではなく、これまでの高尾での経験や想いを伺いながら、プロジェクトに参画いただきました。入居者の方含め、みんなで一緒に作っているという感じでした。

ー最後に㈱京王SCクリエイションの「持続的な商いの環境を創造する」というミッションについて、KO52というプロジェクトを経た上での想いや挑戦したいことを教えてください。

菊池さん:㈱京王SCクリエイションには、京王線の沿線があるので、街の魅力を作り出すKO52のような場所をもっと作っていきたいと思います。通常のショッピングセンターとはまた違う賃料体系の仕組みや、入居ハードルの低い区画など、入居者さまに寄り添った施設を作りながら街全体の価値の向上を考えていきたいと思っています。個人の方に参画してもらい、
わくわくするような場所を作り続けていければ、その分だけ様々なお客さまが集まってくださるのかなと思います。KO52は駅番号が名前の由来の一つです。なので、例えば新宿だったらKO01っていうちっちゃい施設もあってもいいのかなと思います。いろんな組み合わせで収益性を確保しながら、「こういうビルがあってもいいよね」という視点で作り上げていくことが、商いの持続的な成長にも繋がっていくのかなと思います。
松尾さん:KO52はここからスタートする人を応援するための施設だと思っています。ここで事業がうまくいって、次はもう少しステップアップしたいとなったときに、京王グループの持っているアセットを使ってもらえるようになればいいなと思います。今度はより大きな商業施設に出店していただくみたいなことが起きて、ステップアップしていく企業さんと成長を共にすることが「持続可能な商いの環境」に結びつくと思います。
葛川さん:お客さまの中には何代にも渡って京王沿線に住んでいらっしゃる方や、京王グループで様々なサービスを使ってくださっている方がたくさんいらっしゃいます。そんなみなさまにとって、商いはとても身近にあるものの一つです。沿線価値向上をどれだけ具体化できるかということのまず第一歩がKO52には詰まっています。個商いにフォーカスし、みんなで一つの建物としてまずは形にできたことが、これから京王電鉄(株)と(株)京王SCクリエイションが一緒に沿線を盛り上げていくためのスタートになったと思います。
ー池田さんから皆さんへ期待することやエールをお願いします。
池田さん:自分が住んでいる街の価値を向上していくということは大変に喜ばしく、土着の民として、ありがたく思います。期待することとしては、それぞれの駅にそれぞれのプレーヤーがいて形を変えたKO●●が実現していってほしいですね。いろんなKO●●の“カンリニン”が集まって、“カンリニン会議”っていうのを早く開催したいです。それぞれのナレッジを交換するような会ができていくと横の繋がりができてより面白くなっていくんじゃないかなと思っています。
全員:“カンリニン会議”最高ですね!
ー今後も京王電鉄㈱と㈱京王SCクリエイションで連携して、沿線に素敵な商業施設を増やしていってください。期待しています!